本企画はアーティストの布施琳太郎が四谷未確認スタジオでキュレーションする3連続の個展である。この企画で僕が実現したいことは、まず第一に現在最もフレッシュでアクチュアルなリアリズムを展開する3名のアーティストのそれぞれが個展をすることである。そして第二に、彼らが抱く「リアリズム」が今日の社会においてどのような有効性を持ち得るのかを問いかけ、検証することにある。
鈴木雄大、國冨太陽、高見澤峻介。彼ら3名はそれぞれが個別の1人として、今日の言語/イメージのシステムあるいは社会インフラの錯乱に対する具体的なサバイブの、異なるヴァージョンとして芸術を利用している。彼らに共通しているのは、その表現が「表象」から遠く離れたところで実践されていることにあるだろう。またそれぞれの展覧会の開催と併せて僕によるテキストも公開する予定である。
彼らの個展は芸術実践の新しい原理の萌芽であると同時に、今日の社会のなかで既に露出した問題ではなく、その基盤へと向かうための静かなる後退だ。その美しさと根源的な革新性に刮目していただきたい。
布施琳太郎