涙のカタログ
2023年
詩集
スマートフォン登場以降、つながり過剰の社会のなかで失われた、「孤独」や「二人であること」の回復をテーマに、執筆、絵画や映像作品制作、インスタレーション、ウェブサイトを駆使した展示、キュレーター活動ほか、多彩な発表を展開し、いま最も注目を集めるアーティスト布施琳太郎の初詩集。
2022年にPARCO MUSEUM TOKYOにて開催した展覧会「新しい死体」や「名前たちのキス」などの数々の映像作品やインスタレーションのために執筆された詩、雑誌『文學界』への寄稿作品「⿊より冷たい海のメディア」などを再編集。さらに「涙」をテーマにした書き下ろしの新作多数を収録した全29篇。
カバーイラストは、コミック『惡の華』『おかえりアリス』『血の轍』など、人物の繊細な心理描写に定評がある押見修造氏が描き下ろし。布施琳太郎の熱烈なラブコールに呼応した本書の為の作品。装丁は、布施琳太郎との繰り返し協働してきたデザイナーの八木幣二郎が担当。
「涙」。それは喜びと悲しみ、快楽と苦痛という相反する刺激に対する同一の生理反応。「涙」という現象を主題として、人間の中の矛盾や定義の出来ない曖昧さを訴求し、「海」「死」「性」のモチーフへと広がりながら1冊の中で世界が映像的に交錯してゆく。
判型:B6判
ISBN:978-4-86506-434-6
発行:2023年11月11日
予価:2,000円(税別)
ページ:112ページ