教える/学ぶ、あるいは歌う
2017年
廃幼稚園に残された物品、映像
2017年7月から岡山県で開催された「牛窓亜細亜国際芸術祭」に参加した際、玉津幼稚園跡地で撮影された映像。そこには幼稚園として使用されていた当時の物品が残されており、そのなかでも壁に貼られたままであった「園歌」に僕は興味を惹かれた。もう歌われることのない言葉たちを朝日が昇るまで、繰り返し声に出し、いろいろな仕方でメロディを与え、周囲にあった木琴を叩き、自分の幼稚園時代の吃音を思い出しながら、そして自らの全身のこわばる筋肉のことを考えていた。
壁に残された園歌の失われたメロディを勝手に想像して、歌にする。そういえば当時のぼくはどもりだった。だからうまく声がでなかった。言いたいことはすべて歯茎のすきまでバラバラになった。全身の筋肉がこわばって痙攣する(キメラ?)。






