布施琳太郎 / Rintaro Fuse

パビリオン・ゼロ

2025年

葛西臨海公園、コスモプラネタリウム渋谷など

パビリオン・ゼロ

プロジェクト概要

複合的なアートプロジェクトである『パビリオン・ゼロ』は記者会見を皮切りに、架空の水族園の観測をテーマとした葛西臨海公園でのツアー型展覧会=市外劇『空の水族園』、その観測報告会としてコスモプラネタリウム渋谷で実施された『空の証言』、アーカイブ展示『パビリオン・ゼロの資料室』、アーティストや建築家などによる美術雑誌『ドリーム・アイランド』の観光などで構成されている。東京全土を舞台に「日本の大地=根拠(ground)とは何か?」を問う本プロジェクトは、拡張されたアースワークとして実施された。

メディア紹介、批評など

記者会見(シビック・クリエイティブベース・東京)

展覧会概要の告知、開催意図の説明、ロゴ発表のために布施琳太郎による記者会見を行なった。会の後半ではメディアアーティストの落合陽一、美術批評家の椹木野衣を招いて本プロジェクトの直後から開催されることになる2025年大阪・関西万博についての座談会を行なった。当日の様子はYouTubeライブで生配信された。

記者会見アーカイブ動画

ツアー型展覧会=市外劇「空の水族園」(葛西臨海公園、東京湾)

本プロジェクトの中心となる企画。再開発によって現在の機能停止が予定されている葛西臨海水族園の周囲で展開された。手法的には寺山修司が1970年代に発案し、東日本大震災後の福島県いわき市でカオス*ラウンジが行なった「市街劇」を参照しながら作品展示、パフォーマンス、朗読、乗船、そしてヘッドマウントディスプレイによるAR(拡張現実)とVR(仮想現実)の行き来によって構成されたツアー型展覧会=市外劇。

日時:2025年2月8日(土)〜9日(日)10:00〜16:30
会場:葛西臨海公園(東京都江戸川区臨海町6丁目2)
受付:鳥類園 ウォッチングセンター
ツアーガイド、企画、演出、脚本:布施琳太郎
参加作家:米澤柊、板垣竜馬、涌井智仁、黒澤こはる、倉知朋之介、米村優人、青柳菜摘、小松千倫、布施琳太郎
XR設計:Jackson KAKI
アートディレクション:八木幣二郎、酒井英作
テクニカルディレクション:村川龍司(arsaffix)、イトウユウヤ(arsaffix)
技術協力:雨宮庸介
記録撮影:竹久直樹
制作進行:坂口千秋、加藤夏帆(TASKO)、島田芽生(CCBT)

当日ハンドアウト

観測報告「空の証言」(コスモプラネタリウム渋谷)

前月に実施された「空の水族園」の観測報告会として、ARやVRの映像などをプラネタリウムの全天球スクリーンに上映しながら布施琳太郎がツアーの内容を「かたり(語り/騙り)」ながらパフォーマンスなどを行なった。

日時:2025年3月15日(土)14:30〜/16:00〜/17:30〜
会場:コスモプラネタリウム渋谷(渋谷区文化総合センター大和田12F)
定員:各回100名(先着順・事前予約制)
かたり部、企画、脚本、映像編集:布施琳太郎
音楽:小松千倫
記録撮影:山崎裕貴

パビリオン・ゼロの資料室(シビック・クリエイティブベース・東京)

本プロジェクトのなかで生み出された映像や音声、作品、体験、写真などをあらためて集結させた資料展示。

日時:2025年3月11日(火)〜3月23日(日)
休館日:月曜日
時間:13:00〜19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
観覧料:無料
記録撮影:竹久直樹

ドリーム・アイランド

近年のアートシーンにおける言説や批評の不在への危機感から、プロジェクト「パビリオン・ゼロ」の一環として美術雑誌の創刊を企画・出版。記念すべき第1号の特集テーマは「大地=根拠」。多様な立場の人々が、建設設計から埋立地、水族館、万国博覧会、ヴァーチャル・リアリティ、アニメーション、モニュメントまでの広範な主題について自らの実践を通じて思考・執筆。

ドリーム・アイランドPDF版配布リンク

[パビリオン・ゼロ アーカイヴ Ⅰ ]
記者会見 第一部 原稿
記者会見 第二部 椹木野衣+落合陽一+布施琳太郎 日本の大地=根拠とは何か?

[文]
水野幸司  東京湾埋立地風景私論
井上岳   見えない基礎と新しい境界
伊藤道史  揺れる地面と身体の生
米澤柊   生きものが生きる場所
村井琴音  私ではないあなたのモニュメント
布施琳太郎 動詞的な恋人たち

[対談]
魚豊+布施琳太郎 いま、私たちがつくべき嘘は何か?

[パビリオン・ゼロ アーカイヴ Ⅱ ]
空の水族園

編集 布施琳太郎、酒井瑛作
デザイン 八木幣二郎

パビリオン・ゼロ