新しい孤独 new loneliness ボクは「接続」によってのみ発見される「新しい孤独」を、形あるものとして提示する。ここで扱われるのは「接続」ではなく、「新しい孤独」の想像力の可能性だ。今回ボクは、幾人かが「新しい孤独」の中で生成した成果物を集め、ひとつの「定型」の中に自動的に配置する(=A)。そしてAを反復し、抽象化する中で、絵画へと変換する(=B)。鑑賞の対象は、このAとBである。そして鑑賞者はAとBの関係の中に発見される想像力(=C)に触れることで——「定型」の反復によって「新しい孤独」が分散する中で——更なる孤独を発見するだろう。 コンセプト ボクが語るのは、決して鎖国的な自己への閉じこもりではない。これは社会という開かれたネットワークの中でのみ発見される「新しい孤独」である。 カンブリア爆発において、生命は突然に進化を遂げた。目を、光を獲得したのである。そのときボクは、ボクの身体がキミの身体と異なることに気がついた。更なる原初のとき、ボクとキミは無限の闇の中で、ひとつの空間の中で、さまよっていた。だが光によって、その空間はバラバラに切り裂かれ、ボクは孤独になった。 しかし多様な生命の中で、人間だけは、恋をすることを覚えた。強い意思を持って恋をすることは人間の条件であり、孤独の超克である。もちろん「恋をする」というのは他の人間を対象にしたポルノな欲求ではない。それは真剣に農業をすること、新しい道具を発明すること、真摯に絵を描くことなどの人間を人間たらしめる多様な行為の総称である。 そして人間は家族を作り、社会を作り、国家を作り、インターネットを作った。しかし気を抜くと人間は孤独を忘却してしまう。現代においては、情報技術によって地縁や血縁に縛られずに様々なコミニュティへ気軽に参加することが可能になる中で、いつしか孤独を忘却してしまった。だが孤独を超克することと忘却することは、まったく異なる営みである。孤独を忘却するとき、本来、超克によって獲得されるべきだった「現実」までもが忘却されてしまう。 ボクが提示するのは孤独を忘却することを超克すること――つまり孤独を忘却させる現代の情報環境を乗り越えて、もう一度、孤独を獲得すること――である。決してカンブリア期の孤独へ還ることを望んでいるのはない。忘却を超克するとき、人間は孤独の忘却が可能になる以前には不可能であった「新しい孤独」を獲得する。そしてそれはより強い恋となって、新しい想像力を渇望するだろう。 テキスト 布施琳太郎
開催概要 名称:新しい孤独 new loneliness 会場:コ本や(東京都北区王子1-6-13 松岡ビル) 会期:2016年3月22日(火)〜4月2日(日) 時間:13:00-21:00 休み:毎週月曜日 アクセス:京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」より徒歩五分 企画/展示:布施琳太郎 ゲストアーティスト ・リスカちゃん ・ニメイ ・都築拓磨 ・ㅤㅤ:(;゙゚’ω゚'): ・Rei Nakanishi ・日下部岳 ・vurls ほか